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 1ドル=100円を12年ぶりに突破した円相場の行方に、市場の関心が集まっている。さらに円高が進めば、輸出頼みの国内景気は減速が懸念される。米当局の景気対策や日銀の利下げに関する観測も交錯する。想定されるシナリオを探った。(三塚聖平)


 ■ケース(1)円高加速


 現在の円高は、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発する金融不安で、世界的にドル売りの動きが加速したことが原因だ。


 米国は連邦準備制度理事会(FRB)の相次ぐ利下げなど、金融面での対策を矢継ぎ早に打っているが、信州大学の真壁昭夫教授は「いくら金融緩和を進めても無駄。金融機関に公的資金を注入するなど根本的な解決策が必要」と指摘する。


 米政府が公的資金投入を見送って問題を先送りすると、ドル売りは止まらず、平成7年10月につけた79円台の超円高が再現される可能性もある。


 ここまで円高が進めば日米当局が円売り・ドル買いの市場介入に乗り出すとの見方も強い。だが、ニッセイ基礎研究所の櫨(はじ)浩一チーフエコノミストは「世界最大の外貨保有国である中国は外貨準備の多くをドル資産で運用しているが、ドル資産をユーロに切り替える動きに出ればドル売りは加速する」との最悪シナリオも示す。


 ■ケース(2)もみあい


 急激な円高への警戒感や将来のドル高への反転を見込んで、市場には投機的なドル買い(円売り)もみられる。しかし、円高に歯止めを掛ける鍵となるのは、日銀の利下げに関する観測だ。


 ゼロ金利を脱却したばかりの日本に利下げ余地は乏しいものの、あえて踏み切れば日米の金利差が拡大し、ドル買いを誘発する。農林中金総合研究所の南武志主任研究員は「日銀の中にも利下げの空気が徐々に広がっている。金利差が広がれば一方的なドル売りは弱まるだろう」と分析する。


 4月にワシントンで開催される先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、ドル安への何らかの対応策が打ち出され、円高が一段落するる可能性もある。ただ、日銀総裁人事が混迷し、「中央銀行の総裁も決まっていない状態では、欧米の協調行動から取り残される」(真壁教授)との懸念も聞かれる。


 ■ケース(3)円の反落


 円がやがては反落し、再び100円台に戻るとの見方もないわけではない。そのためには、サブプライム問題の抜本的な解決が不可欠だ。


 第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「米政府としても一層のサブプライム対策が必要。公的資金を投入すれば、その効果が徐々に出てくる4月以降に100円台の水準に戻る」と予測する。


 米政府は1月に1500億ドル(約16兆円)の緊急経済対策を打ち出しており、米経済がいずれは回復基調に向かうとの見方もないわけではない。櫨氏によると、「景気対策が奏功してインフレに向かえば、FRBは利上げに転じ、日米金利差が拡大する」。その場合はドル買い地合いが強まりそうだ。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080319-00000057-san-bus_all

(ヤフートピックス引用)





★円高不況(えんだかふきょう、英:High-yen recession)は、円相場の上昇(円高)に伴い日本国内の輸出産業が損害を被る結果発生する不況のことである。円高デフレとも言う。


特に1983年から1987年にかけての不況期を指すことが多い(政府発表では1983年から1986年の第10循環に相当する)。


円相場が円高に傾くと、外貨建て債権を有する日本の輸出産業は為替差損を被ることになり、経営が圧迫される。逆に輸入産業は為替差益を得ることになるが、日本は貿易収支が大幅黒字国であり輸出産業の方が経済に及ぼす影響力が強いため、日本経済全体としては、差益より差損の方が大きくなる。そして利益が減少したことで社員給与の減少や価格への転嫁が起こり、結果購買意欲の衰退、不況へと向かう。
(Wikipedia参照)




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